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YogaTownの100ポーズから見る「初心者向けポーズ」の特徴

ヨガのポーズを探していると、「初心者向け」という分類をよく見かけます。

では、実際にたくさんのポーズを並べてみると、初心者向けとされるポーズにはどんな特徴があるのでしょうか。

ヨガタウンでは、ポーズデータベースの初期100ポーズを固定した研究用データを作成しています。この100ポーズを難易度別に分けると、初心者向けが53件、中級者向けが32件、上級者向けが15件でした。

そこで今回は、初心者向けに分類された53ポーズについて、「基本姿勢」「動き」「目的」「身体部位」などのデータを横断して調べました。

分析してみると、初心者向けポーズでは、仰向けの姿勢と休息系の目的が重なる一群があることが分かりました。その一方で、バランスを主な要素とするポーズは少なくなっています。

詳しく見ていきます。

100ポーズのうち、初心者向けは53ポーズ

今回使用した100ポーズでは、難易度の内訳は次のようになりました。

難易度 ポーズ数
初心者向け 53
中級者向け 32
上級者向け 15
合計 100

半数以上が初心者向けです。

ただし、これは「世の中に存在するヨガポーズの53%が初心者向け」という意味ではありません。

今回分析しているのは、ヨガタウンが初期100ポーズとして収録したポーズの固定データです。そのため、ここから分かるのはこの100ポーズの中でどのような構造が見えるかということです。

では、その53ポーズにはどんな特徴があるのでしょうか。

初心者向けでは「仰向け」が目立った

まず、ポーズを行うときの基本姿勢を調べました。

初心者向け53ポーズのうち、「仰向け」に分類されているのは14ポーズ。26.4%にあたります。

難易度別に比較すると、違いがよく分かります。

難易度 仰向けのポーズ
初心者向け 14 / 53(26.4%)
中級者向け 1 / 32(3.1%)
上級者向け 1 / 15(6.7%)

初心者向け以外の47ポーズを合わせると、仰向けは2ポーズでした。

初心者向けに分類された仰向けポーズには、たとえば「仰向けのねじりのポーズ」「ガス抜きのポーズ」「ハッピーベイビーのポーズ」「仰向けの合せきのポーズ」「亡骸のポーズ」「コンストラクティブレスト」などがあります。

少なくともヨガタウンの初期100ポーズでは、仰向けという姿勢は初心者向けのポーズ群を特徴づける要素のひとつになっています。

ただし、「仰向けだから初心者向けになる」という因果関係まで、このデータから判断することはできません。

ここで確認できるのは、初心者向けのポーズ群に仰向け姿勢が多く含まれていたということまでです。

「リラックス」「寝る前」という目的も多かった

次に、ポーズの「目的」を見てみます。

初心者向けでは、「リラックスしたい」に分類されたものが15ポーズ、「寝る前」が14ポーズありました。

目的 初心者向け 中級者向け 上級者向け
リラックスしたい 15(28.3%) 1(3.1%) 0
寝る前 14(26.4%) 1(3.1%) 1(6.7%)
朝に身体を動かしたい 11(20.8%) 2(6.3%) 0

「朝に身体を動かしたい」という目的も、初心者向けでは11ポーズあり、他の難易度より多くなっています。

ここまでを見ると、「初心者向けには仰向けが多い」「初心者向けにはリラックスを目的とするポーズが多い」という二つの特徴があるように見えます。

ところが、ポーズごとにデータを重ねてみると、この二つは完全に別々の特徴ではありませんでした。

「仰向け」と「休息系」は重なっていた

初心者向け53ポーズの属性を組み合わせて調べると、次の組み合わせが確認できました。

  • 「仰向け × リラックスしたい」:9ポーズ
  • 「仰向け × 寝る前」:8ポーズ

つまり、仰向け姿勢のポーズが多い一方で、別にリラックスを目的とするポーズが多いというだけではありません。

仰向けで行い、休息や就寝前といった目的にも分類されるポーズ群が、初心者向けの中にまとまって存在しています。

これは、単独の分類項目を数えるだけでは少し見えにくい特徴です。

ヨガタウンではポーズを「難易度」だけで分類しているわけではありません。基本姿勢、動き、目的、身体部位など複数の属性を持たせています。

それらを横断してみることで、「初心者向け」という分類の内側にも、いくつかのまとまりがあることが見えてきました。

反対に「バランス」は初心者向けでは少なかった

では、初心者向けのポーズ群に少ないものは何でしょうか。

大きな違いが見えたのが「バランス」です。

動きとして「バランス」に分類されたポーズを比較すると、次のようになりました。

難易度 バランス
初心者向け 3 / 53(5.7%)
中級者向け 8 / 32(25.0%)
上級者向け 13 / 15(86.7%)

上級者向けでは15ポーズ中13ポーズに「バランス」の属性がありますが、初心者向けでは53ポーズ中3ポーズでした。

「バランスを練習したい」という目的でも同じような差が見られ、初心者向けでは4ポーズ、中級者向けでは10ポーズ、上級者向けでは12ポーズでした。

また、「筋力を高めたい」という目的に分類されたものは、初心者向けでは4ポーズなのに対し、上級者向けでは9ポーズありました。

今回の100ポーズでは、初心者向けの特徴は「何が多いか」だけではありません。

バランスや筋力を高めることに関係する属性が相対的に少ないことも、難易度間の違いとして現れています。

身体の「どこ」を使うかだけでは、難易度を単純に分けられない

次に、対象となる身体部位を見てみます。

初心者向けで多かったのは、次の身体部位です。

  • 背中:27ポーズ
  • 股関節:22ポーズ
  • 脚:22ポーズ
  • 肩:14ポーズ
  • 胸:12ポーズ
  • もも裏:10ポーズ

このうち背中は中級者向けでも32ポーズ中18ポーズ、脚は19ポーズ、股関節は12ポーズに含まれています。

一方で、すべての身体部位に難易度による違いがないわけではありません。たとえば腕は、初心者向けでは53ポーズ中6ポーズ、中級者向けでは32ポーズ中3ポーズなのに対し、上級者向けでは15ポーズ中11ポーズに含まれています。

そのため、今回のデータから「身体部位には難易度による違いがない」とまでは言えません。

ただ、背中・股関節・脚のように複数の難易度で広く登場する部位もあり、「初心者はこの身体部位、上級者はこの身体部位」と身体部位だけで全体を単純に分けることはできませんでした。

今回の100ポーズでは、仰向けや腕支持といった姿勢、リラックスやバランス練習といった目的、バランスなどの動きを組み合わせて見ることで、難易度ごとの違いがより見えやすくなります。

もちろん「初心者向け=寝て行うポーズ」ではない

ここで注意したいのは、初心者向けのポーズ群が仰向けや休息系のポーズだけで構成されているわけではないことです。

動きとして「バランス」に分類された初心者向けのポーズには、次の3ポーズがあります。

  • 戦士のポーズII
  • 木のポーズ
  • ハイランジ

基本姿勢で「腕支持」に分類されたものも3ポーズあります。

  • イルカのポーズ
  • 板のポーズ
  • イルカの板のポーズ

つまり、「初心者向けなら仰向け」「バランスポーズなら初心者向けではない」といった明確な境界が存在するわけではありません。

今回見えているのは、あくまで53ポーズをまとめて見たときの分布の違いです。

個々のポーズの難易度を、姿勢や動きのひとつの属性だけから決められるわけではありません。

100ポーズから見えてきた「初心者向け」の構造

今回、ヨガタウンの初期100ポーズのうち、初心者向けに分類された53ポーズを分析しました。

そこから見えてきた主な特徴は、次のようなものでした。

  • 仰向け姿勢が初心者向けのポーズ群に多い
  • 「リラックスしたい」「寝る前」といった休息系の目的が多い
  • 仰向け姿勢と休息系の目的は同じポーズ群で重なっている
  • バランスは初心者向けでは少なく、上級者向けで多い
  • 身体部位だけでは難易度ごとのポーズ群を単純に分けられない

こうして見ると、ヨガタウンの初期100ポーズにおける「初心者向け」は、単純に「簡単な動きだけを集めたグループ」というより、姿勢・目的・動き・身体部位といった複数の属性を横断して見ることで、その特徴が見えてくるポーズ群といえそうです。

ただし、これはヨガポーズ全体についての一般法則ではありません。

ヨガタウンが初期100ポーズとして選んだデータの中から見えてきた特徴です。

今後ポーズデータが増えたり、分類方法が変わったりすれば、違う構造が見えてくる可能性もあります。

まだ調べられていないこと――「身体をどう支えているか」

今回の分析から、もうひとつ気になる疑問が生まれました。

初心者向けポーズでは、床との接点が多かったり、身体を支える面が広かったりするのでしょうか。

たとえば仰向けのポーズなら、身体の広い範囲が床に接します。一方、片脚立ちや腕支持のポーズでは、より限られた場所で身体を支えることになります。

もしこの「支持の構造」をデータとして比較できれば、難易度について別の側面が見えてくるかもしれません。

ただし、現在のヨガタウンのデータでは「支持点」の情報はまだ完全には構造化されていません。左右対称性や逆転ポーズの分類方法についても、整理途中の項目があります。

そのため今回は、この疑問について結論を出していません。

今後データ構造を整えたうえで、改めて調べたいテーマです。

今回の調査方法

今回の分析には、ヨガタウンの初期100ポーズを固定した研究用データを使用しました。

対象は100ポーズで、内訳は初心者向け53ポーズ、中級者向け32ポーズ、上級者向け15ポーズです。

主に次の項目を比較しました。

  • 基本姿勢
  • 動き
  • 目的
  • 身体部位

このデータは、ヨガタウンで現在公開しているポーズデータベースとは分離した研究用の固定データです。公開中のデータベースが更新されても、今回の記事の集計結果が自動的に変わらないようにしています。

なお、「利用場面」には29件、「道具」と「所要時間」にはそれぞれ19件の欠損があります。また、「支持点」「左右対称性」「逆転ポーズの分類」などには、現在のデータ構造上の未解決事項があります。

基本姿勢についても、一部に分類上の保留事項があります。たとえば「横向きのシャヴァーサナ」は、今回使用した固定データでは「仰向け」として保持されており、「横向き」という分類は今後のデータ構造の更新時に再検討する予定です。

そのため、今回の記事では、こうした未整備の項目を主要な分析の根拠には使用していません。

ヨガタウンでは、ポーズデータを増やすだけでなく、こうした分類を横断して調べることで、「ヨガのポーズを別の角度から見ると何が分かるのか」を引き続き検証していきます。